「戦争の時代を歩く」 第8回 
ボスニア・ヘルツェゴビナ

  
2005年1月掲載

 この国で内戦が始まったのは1992年。異なる宗教が原因とされる血みどろの戦いは3年間続き、20万人あまりの死者を生んだ。何が内戦の原因だったのか?
 「私にも、それがわかりません」。私の質問にこう答えたのは、サラエボに住むイスラム教徒の男性だった。内戦は宗教の違いが原因とされている。だが、その男性によると、それは違うというのだ。内戦が始まる1ヶ月前、いや2週間前も異なる宗教を信じる者たちはこの地で仲良く暮らしていたからである。「結局、悪意を持つリーダーたちに社会全体が洗脳され、一気に持って行かれたのでしょう」。
写真は、セルビア人スナイパー(狙撃手)たちが銃弾を放った窓。